日産とユニリーバからの素晴らしいコメントと賛辞の後では、iAdはAppleのパートナー企業の心を掴むことに完全に成功したと思われがちですが、All Things Digitalは、Appleの厳格なiAdポリシーがモバイル広告市場の発展に劇的な影響を与えていると報じています。7月は日産とユニリーバが優勢でしたが、ディズニー、JCペニー、シティグループはつい最近モバイル広告市場に参入しました。一方、Channel SAなどの企業は、Appleの発表イベントで発表されたiAdキャンペーンを最終的に中止しました。

ローンチの遅延は、iAdsのプロセスにおけるAppleの立場に起因しています。Appleはローンチに向けて実際の広告を制作するため、広告制作は開始から完了まで8～10週間かかります。DraftPCBのモバイルプラットフォーム担当ディレクター、パトリック・モアヘッド氏は、「クリエイティブミックスにAppleが関わっているのは大きな問題だ」と述べています。

Appleの「優れた広告」という提案は、特にマーケターにとって不快なものです。iAdネットワークでは、広告がどこに表示されるか全く示されないまま配信されているからです。マーケターは広告を表示すべきでない場所について発言権を持つ一方で、Appleは広告の表示を自由に決定できるのです。

ある広告業界幹部は、「Appleが広告ユニットの制作を担当しているため、代理店は必ずしもiAdの機能やその技術の使い方を理解しているわけではない」と述べた。iAdはHTML5技術で設計されており、Appleは代理店が仕組みを理解できるようにするための「開発キット」をまだ配布していない。

現状の問題はあるものの、Appleのエコシステムの中で粘り強く生き残ろうとするマーケターにとって、未来は明るい。1万人の開発者が参加し、2010年には6,000万ドルという驚異的な投資額が約束されているiAdsは、スロースタートから間もなく飛躍的な成長を遂げるだろう。今年、携帯電話向け広告の売上は4億5,900万ドルから5億9,300万ドルへと43%増と予想されており、広告代理店は適切なモバイル広告の配信に奔走している。日産自動車とユニリーバが報告したように、iAdsがすべての人にとって成功を収めることができれば、マーケターにとって喜ばしい年となるはずだ。

[ All Things Digital経由]