iPad App Storeには現在、PDFリーダーという巨大な市場が存在します。その背景はこうです。iPadはAppleが開発した専用のPDFアプリなしで発売されたため、GoodReader（レビュー記事はこちら）が瞬く間に最も人気のある有料アプリとなりました。数か月後、AppleはPDF対応のiBooksをリリースすると発表し、誰もがPDF対応のiBooksが他の類似アプリを駆逐してしまうのではないかと考え始めました。

iBooksでPDFを読むのは快適ですが、多くの人が期待していたような完璧な体験ではありません。インターフェースデザインはAppleの伝統通り美しくエレガントですが、アプリは大容量の文書には対応しておらず、私のテストでは、14MBのファイルを開くのにアプリの起動、文書の読み込み、そしてスワイプ操作が可能になるまでに10秒（あるいはそれ以上）もかかりました。Appleが数週間前に発表したように、ページめくり効果はなく、TUAWでその問題が明らかになりました。結局のところ、大容量PDFでのiBooksのパフォーマンスの悪さには深く失望しています。もしかしたら、またアップデートがリリースされるかもしれませんが、どうなるかは分かりません。

iPadで文書を読むのに、 Fast PDFという別のアプリケーションを使っています。これは確かに、現在App Storeで入手できるPDFファイルを読むためのサードパーティ製ソフトウェアの中で最高のものです。

Fast PDFは、イタリアのヴェネツィアに拠点を置くMobFarmによって開発されています。自国で開発されたアプリをレビューするのは初めてだと思います。とにかく、Fast PDFはiPadで大容量の文書を快適に、そして優れたパフォーマンスで読みたい人向けです。また、アプリ内ブラウザを使って文書をダウンロードできることを気にしない人、そして（これは重要な点ですが）読みながら明るさを調整できることを重視する人にも最適です。Fast PDFはこれらすべての機能に加え、さらに多くの機能を備えています。

メイン画面は本棚で、iBooks のそれによく似ています。これを使って書類を整理したり、開こうとしているものの簡単なプレビューを見ることができます。必要に応じて、シンプルなリスト表示に変更することもできます。では、Fast PDF にファイルを取り込むにはどうすればいいのでしょうか? 簡単です。iTunes を使用して、内蔵サーバーを起動し、自分宛にメールを送信して添付ファイルを開き、ブラウザー機能でダウンロードします。または、PadSyncなどのサードパーティ製アプリを使用することもできます。これは優れたアプリなので、今週中にレビューする予定です。開発者がアプリに書類を取り込むためのさまざまな可能性を提供していることを高く評価しました。これを提供してくれるアプリはそれほど多くありません。簡単に推測できるように、書類を開くにはサムネイルをタップする必要があります。Fast PDF の強力なエンジンを考えると、プレビューのピンチ アンド ズーム (写真や Reeder のように) も欲しいところですが、将来のアップデートで対応されるかもしれません。

このエンジンについてですが、とにかく高速です。20MBのファイルを開くのもほぼ一瞬で、サムネイルをタップしてから数秒でページ間をスワイプできます。ページ間のスワイプはスムーズで、テキストのレンダリングも問題ありませんが、iBooksほど洗練されていません。ブックマークの追加、明るさ調整（ドキュメント内とメイン画面の両方）、レイアウト設定（1ページ、2ページ、自動）に加え、全画面表示も可能です。

すべてのコントロールは半透明のパネルに配置されており、数秒後に消えます。画面の両側には2つの矢印があり、タップするとページを切り替えられます。残念ながら、ハイライト表示やiBooksのような美しい全ページサムネイルプレビューはできませんが、エンジンが完成すれば、アップデートですぐに機能が追加されるでしょう。

iBooksではなくFast PDFを選んだのは、大きなPDFファイルを扱う際のパフォーマンスが優れているからです。私のライブラリには小さな文書がほとんどないので、他の文書閲覧アプリを試す際には、まずエンジンの性能が優れているかどうかを重視します。Fast PDFはApp Storeで2.99ドルで入手でき、iPadとiPhoneで使えるユニバーサルアプリです。私と同じようにiBooksで少し問題を抱えていた方は、ぜひダウンロードしてみてください。

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