Appleは毎年年末に、アプリ、音楽、書籍、ポッドキャストなど、様々なジャンルの人気作品を表彰しており、今年も例外ではありません。しかし、2019年のフォーマットには変更があり、Appleは音楽部門を「Apple Music Awards」という独自のアワードカテゴリーに分割しました。5つのアワードが設けられ、受賞者はAppleの編集チームによって選出されるものと、ストリーミングデータによって決定されるものがあります。

グローバル・アーティスト・オブ・ザ・イヤー、ソングライター・オブ・ザ・イヤー、ブレイクスルー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーの受賞者は、Apple Musicのグローバル編集チーム（専門家とトレンドセッター）によって厳選され、それぞれの作品に真の情熱を持ち、このカテゴリーの常識を大胆に覆し、リスナーが音楽だけでなく彼らの人となりにも惹きつけられるような人間性を体現したアーティストに贈られます。アルバム・オブ・ザ・イヤーとソング・オブ・ザ・イヤーの受賞者は、ストリーミングデータに基づいて選出され、Apple Musicのお客様が今年（リピートで）聴いた楽曲を反映しています。

2019年のApple Music Awardsの受賞者は次のとおりです。

• グローバル・アーティスト・オブ・ザ・イヤー：ビリー・アイリッシュ
• 今年のブレイクスルーアーティスト：リゾ
• 年間最優秀ソング：リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」
• 年間最優秀アルバム：ビリー・アイリッシュの「WHEN WE FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?」
• ソングライター・オブ・ザ・イヤー：ビリー・アイリッシュと弟のフィニアス、『WHEN WE FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』の共作者

Apple Musicサービス内にApple Music Awards専用ページが開設されるほか、Appleは受賞者ビリー・アイリッシュによる世界規模のライブストリーミングパフォーマンスで授賞式を祝います。彼女のブレイクアウトアルバムは2019年にApple Musicで10億回以上ストリーミング再生され、同サービスで配信されているアルバムの中で最多記録となりました。アイリッシュは12月4日午後6時30分（太平洋標準時）にスティーブ・ジョブズ・シアターでパフォーマンスを披露します。

Appleが受賞者のためにデザインした物理的な賞品には、もちろん特別な工夫が施されています。Appleは次のように説明しています。

各賞には、Appleが独自に開発したシリコンウエハーが、研磨されたガラス板と機械加工され陽極酸化処理されたアルミニウムボディの間に挟まれています。ウエハーは、ナノメートルレベルの平坦性を持つ12インチの完璧なシリコンディスクから始まり、銅層を堆積し、紫外線リソグラフィーによってパターン化することで、数十億個のトランジスタ間の接続を形成します。この数ヶ月に及ぶ工程を経て、数百個の個々のチップへと切り分けられるまでの結果は、息を呑むほど美しく、他に類を見ないものです。世界中の音楽を指先で操るデバイスを動かすのと同じチップが、Apple Music Awardsのまさに中心に据えられているという、象徴的な意味合いがあります。

2019年のApple Music Awardsは、事実上ビリー・アイリッシュ・アワードとでも呼ぶべき存在です。限られた数の受賞候補をアーティストが複数獲得するという、同様の傾向が毎年続くかどうか、興味深いところです。Appleが今後このような事態を避けようとするのは当然のことでしょうが、一部のアワードは完全に人気度で決まるため、このような状況が常態化しても不思議ではありません。どのアーティストが今年大きな成功を収めるかは、誰にも分かりません。