Facebookは、iPhone向け代替クライアント「Paper」のアニメーションエンジン「Pop」をオープンソース化しました。Popは、現実世界の物理法則やインタラクションに着想を得たトランジションやアニメーションを実現するエンジンで、FacebookはPaperで人気のジェスチャーコントロールを開発することができました。このジェスチャーコントロールは、Paperの目玉機能の一つとなっています。Paperでは、Facebookの多くの機能がジェスチャー操作のみで利用できます。これは、コンテンツとストーリーに重点を置き、クロームなどの標準的なUI要素を排除することで、従来のニュースフィードを再構築したためです。

Facebookエンジニアリングブログの記事で、Kimon Tsinteris氏（Facebookが2011年に買収したPush Pop Pressの共同設立者）は、Popの背景にある動機と、アプリにフレームワークを実装したい開発者にPopが提供するアニメーションの種類について説明しています。

2010年にPush Pop Pressを共同設立した当時、私たちの目標は、あらゆる場所で物理法則が感じられるリアルな体験を創造することでした。UIScrollViewの快適な体験をアプリケーション全体で再現できるソリューションを求めていました。Popはそのビジョンを具現化した最新のものであり、使い慣れた強力なCore Animationプログラミングモデルを維持しながら、ジェスチャーの速度を捉え、ユーザーの意図をより正確に反映することを可能にしました。Paperは、このビジョンとそれを支えるアニメーションエンジンの両方をさらに洗練させる機会を与えてくれました。

「Spring」と「Decay」は、Paperに生命を吹き込むダイナミックなアニメーションです。「Spring」はPaperの要素に魅力的な弾みを与え、「Decay」は動きをゆっくりと停止させます。どちらも速度を入力として受け取り、ユーザーのジェスチャーにリアルに反応するのに適しています。

Tapity の Jeremy Olson 氏によると、Pop を使用すると「アプリ内のアニメーションについての考え方に革命を起こす」ことができるとのことです。Olson 氏は、Tapity の次期 iPhone アプリである Hours 用のアニメーションを作成するために Pop をテストしています。

2週間前、FacebookのPaperチームのメンバーは、YouTube（上記に埋め込み）で公開されている開発者イベントで、Paperの開発経緯や、アプリの背後にあるインターフェース、フレームワーク、ユーザーエクスペリエンスに関する決定事項について詳細に説明しました。Facebookはまた、Facebookのデザインチームがプログラミングなしでインタラクティブなモックアップを作成するために使用している無料のデザインプロトタイピングツールキット「Origami」にPopを統合する予定です。

Popは、KVOController、Shimmer、Tweaksに続く、Facebookのオープンソースプロジェクトライブラリの最新版です。Popは現在GitHubで公開されています。