「The Escapists」は、Mouldy Toof StudiosとTeam17が手掛けた受賞歴のあるインディーゲームで、2015年からコンソールとPCでプレイできます。今週、モバイル版が初めて登場し、iOSとAndroidで同時リリースされました。ゲームの目的は、セキュリティレベルが異なる複数の刑務所からの脱出というシンプルなものですが、複雑な要素が絡み合うため、「The Escapists」は何時間でも楽しめるでしょう。

The Escapistsは、パズル、クラフト、そしてRPG要素を組み込んだ、ピクセル調のトップダウン型ストラテジーゲームです。クラフトやインベントリ管理の多いゲームは、どうしても面倒に感じてしまうのですが、The Escapistsではそういった要素は全く気になりません。ゲームの性質上、制約が全てなのです。プレイヤーは刑務所に閉じ込められ、日々の生活をこなしながら、見つけた物や仲間の囚人への好意など、様々な機会を利用して脱出に役立つアイテムを集めていきます。見つけた物はまるで宝物のように大切で、それらを組み合わせて刑務所の外へ脱出するための道具や武器を作る過程を見るのは楽しいものです。

「The Escapists」は忍耐力が必要です。冒頭に簡単なチュートリアルがあり、通気口を通り抜け、他の囚人と出会い、そこからアイテムをもらって警備員を攻撃するための武器を作り、刑務所の壁をくぐって脱出します。チュートリアルではゲームの基本的な仕組みを分かりやすく教えてくれますが、脱出を成功させるためのヒントはあまりありません。ゲームが始まったばかりの頃は、周囲で起こる出来事に追われているような感覚で、何をすればいいのか分からず苦労しました。

食事、刑務所の仕事、運動のための庭、その他様々な活動に振り回される日々が続くうちに、このルーティンこそがこのゲームの醍醐味だと気づきました。成功するには、刑務所生活に溶け込み、疑惑を招かないようにしつつも、チャンスが訪れたらそれを活かす準備をしておかなければなりません。どの刑務所にも弱点は存在しますが、それを見つけるには細部への注意、忍耐、そして多くの試行錯誤が必要です。一度それを理解すれば、『The Escapists』はとてつもなく楽しいゲームです。

『The Escapists』には6つの刑務所があり、様々な職業に挑戦できます。作成できるツールや武器の種類が豊富で、他の囚人との交流も楽しめるため、発見のチャンスは豊富です。そのため、脱出方法を見つけた後でも、それぞれの刑務所をやり直す価値は十分にあります。

『The Escapists』は、PCとコンソール向けに最初に設計されたため、少々不便を感じます。iPhoneでは少し窮屈に感じたので、すぐにiPadに切り替えました。

ゲームの操作は、明らかに物理ボタン付きのコントローラー向けに設計されています。囚人を操作するには、仮想ジョイスティックとボタンの組み合わせ、またはジェスチャーベースのタッチシステムによる操作の2つのオプションがあります。この2つのうち、私は指をドラッグして囚人を誘導する方が好きです。精度は劣りますが、仮想ジョイスティック上で指の動きを追っていると、画面上のアクションに集中できなくなってしまいました。

そういった制限はさておき、『The Escapists』は大変楽しめました。それぞれの刑務所は独立したサンドボックスで、プレイヤーに自由に実験をさせてくれます。この試行錯誤こそが脱出の鍵であり、実際に刑務所から脱出しようとしている時と同じような感覚でプレイできるでしょう。だからこそ、『The Escapists』はプレイする満足度をさらに高めているのです。

The Escapists は App Store で入手できます。