米国司法省と16州は、ニュージャージー州連邦裁判所に提出された88ページに及ぶ訴状において、Appleを独占禁止法違反で提訴しました。本稿執筆時点では、司法省のプレスリリースは一部メディアに共有されていますが、司法省のウェブサイトには掲載されていません。しかし、近いうちに掲載されるものと予想されます。これに対し、Appleは次のように述べています。

Appleは、人々に愛されるテクノロジーを創造するために、日々イノベーションに取り組んでいます。シームレスに連携し、人々のプライバシーとセキュリティを保護し、ユーザーにとって魔法のような体験を創造する製品を設計しています。この訴訟は、私たちの存在意義、そして熾烈な競争市場においてApple製品を際立たせている原則を脅かすものです。もし訴訟が認められれば、ハードウェア、ソフトウェア、そしてサービスが融合する、人々がAppleに期待するようなテクノロジーを創造する私たちの能力が阻害されるでしょう。また、危険な前例となり、政府が人々のテクノロジーの設計に介入する権限を与えることにもなります。私たちは、この訴訟は事実と法的に誤りであると考えており、断固として抗弁します。

原告らによる Apple に対する申し立てについては近日中にさらに詳しくお伝えする予定ですが、申し立ての内容は多岐にわたり、次のような主張をしています。

• Appleは連邦シャーマン法に基づきスマートフォン市場を独占、あるいは独占しようとした。
• アップルは、連邦シャーマン法およびウィスコンシン州とニュージャージー州の独占禁止法に基づき、高性能スマートフォン市場を独占しているか、独占しようと試みている。

（強調追加）。

司法省と各州は、Apple の反競争的行為はユーザーや開発者への影響にとどまらず、経済の広範囲に及ぶと主張している。

重要なのは、Appleの反競争的行為はスマートフォン市場における競争を制限するだけでなく、金融サービス、フィットネス、ゲーム、ソーシャルメディア、ニュースメディア、エンターテインメントなど、これらの制限の影響を受ける業界全体に波及効果をもたらすということです。Appleの反競争的かつ排他的な行為が止められない限り、iPhoneの独占状態は他の市場や経済分野にも拡大し、定着していく可能性が高いでしょう。例えば、Appleは自動車、コンテンツ制作・エンターテインメント、金融サービスといった業界において急速に影響力と権力を拡大しており、多くの場合、iPhoneを取り巻く競争上の優位性をさらに強化・深化させるような排他的な方法でそれを行っています。

司法省と各州は、以下を含むさまざまな救済策を求めています。

a. Appleがアプリ配信の制御を利用して、スーパーアプリやクラウドストリーミングアプリなどのクロスプラットフォーム技術を損なうことを防ぐ。

b. AppleがプライベートAPIを使用して、メッセージング、スマートウォッチ、デジタルウォレットなどのクロスプラットフォームテクノロジーを損なうのを防ぐ。

c. Appleが開発者、アクセサリメーカー、消費者などとの契約条件を利用して独占を獲得、維持、拡大、定着させることを禁止する。

訴状には多くの点が盛り込まれており、こちらからご自身でご覧いただけます。Appleがどのような罪で訴えられているのかをより深く理解するために、少なくとも序文だけでもお読みいただくことを強くお勧めします。これはほんの一面ですが、Appleは近いうちにさらに詳細な情報を提供する予定です。もちろん、この訴訟の真相と、何が争点となっているのかについては、近いうちに改めて詳しくお伝えします。