Rogue AmoebaのAirfoilは、BluetoothやAirPlayなどの技術を使ってMacから複数の接続デバイスにオーディオをストリーミングできるMacアプリです。昨年、Airfoilのバージョン5をレビューした際、家中のあらゆるデバイスにオーディオをストリーミングし、完璧に同期させられる機能に感銘を受けました。

Rogue Amoebaは、Apple OSの見事なリバースエンジニアリングを行い、Airfoilを動作させました。Airfoilの利点は、あらゆる接続デバイスにオーディオをストリーミングしたい人にとって、Airfoilは優れたオーディオハブとなることです。欠点は、Apple OSの変更によってAirfoilが機能しなくなる可能性があることです。AppleがtvOS 10.2をリリースした際に、まさにそれが起こりました。このアップデートにより、最新バージョンのtvOSにアップデートしたApple TVへのAirfoilのストリーミングが機能しなくなりました。

tvOS 10.2が約1か月前にリリースされて以来、Rogue Amoebaはお客様向けに2つのソリューションに取り組んできました。1つ目は、今週初めにリリースされたtvOSアプリ「Airfoil Satellite TV」です。macOS版Airfoilからのオーディオストリームを受信できるこのアプリは、Apple TV App Storeから無料でダウンロードできます。Apple TVでAirfoil Satellite TVを開くと、MacのAirfoilに「Airfoil Satellite on [Apple TV名]」という新しいオーディオ出力先が表示されます。この出力先を選択すると、MacからApple TVへの音楽ストリーミングが始まります。

Airfoil Satellite TVを第4世代Apple TV 2台でテストしてみましたが、宣伝通りの動作でした。ただ、Apple TVの1台でセットアップに問題が発生し、MacのAirfoilに表示されませんでした。おそらくホームネットワークの不具合だったのでしょう。Airfoil Satellite TVをアンインストールして再インストールすることで簡単に解決しました。セットアップが完了すると、MacのAirfoilにオーディオ出力先としてApple TVが表示され、ストリーミングは問題なく動作しました。

Airfoil Satellite TVソリューションの欠点は、Airfoil Satellite TVがフォアグラウンドで動作している必要があるため、オーディオストリームを終了せずに別のアプリに切り替えることができないことです。これはtvOSアプリの動作上の制限であり、Rogue Amoebaでは回避できません。この制約はありますが、これまでAirfoilを使ってApple TVへのストリーミングを行ってきた人にとっては、Airfoil Satellite TVは優れたソリューションです。

冒頭でも述べたように、Rogue Amoebaは2つ目の解決策にも取り組んでいます。Airfoil Satellite TVがリリースされた際、Paul Kafasis氏は、AppleがtvOS 10.2デバイスへのストリーミングに支障をきたした変更点をリバースエンジニアリングで解明し、チームが進展を見せていると発表しました。リリース日はまだ発表されていませんが、Rogue AmoebaのAirfoil Satellite TVに関する投稿によると、チームはAirfoilを以前の機能に戻す無料アップデートをできるだけ早くリリースできるよう取り組んでいるとのことです。OSのアップデートでアプリが動作しなくなるのは決して楽しいことではありませんが、Rogue Amoebaの顧客との明確なコミュニケーションと解決策の模索における努力は称賛に値します。当面の間、Airfoil Satellite TVは、tvOS 10.2を搭載したApple TVにストリーミングしたいユーザーにとって、良い代替手段となるでしょう。