2010年9月1日に開催されたAppleのメディアイベント（iOS 4.1とGame Centerが公式発表された）をご覧になった方なら、Epic Gamesのマイク・キャップス氏とスティーブ・ジョブズ氏が、iOSデバイスの技術標準を一新する革新的なゲームについて語っていたことをきっと覚えているでしょう。そのゲームは人気のUnreal Engineをベースとし、iOSに移植されたもので、ステージ上では開発中のデモ「Epic Citadel」として紹介され、App Storeで無料リリースされていました。そのデモは印象深いものでした。中世の村を歩き回る以外何もすることがありませんでしたが、グラフィックス、ライティング、ディテールは印象的でした。技術面では、「Epic Citadel」のすべてが驚異的でした。そしてご存知のとおり、そのゲームは進化を遂げ、最終的にはストーリーと剣戟のある本格的なアドベンチャーへと進化しました。Unreal EngineとEpic Citadelの一人称視点設定をベースにした「Infinity Blade」は、iPhoneとiPadで大成功を収めました。

しかし、他の開発者もUnreal Engineの強力なツールセットを自社のゲームに実装しようと試みているという話も出ています。Unreal Engineベースのゲーム市場における最新作は、Codenrama開発スタジオによるCastleramaです。これは、Epic Citadelとその環境に驚くほど類似した一人称視点のゲームです。ただし、Castleramaは異なる風景と、画面上に表示される2つの仮想アナログスティックに基づく独自の操作スキームを提供しているようです。

開発者たちは、iPad 2のような新しいデバイスやiPhone 3GSのような古いデバイスでゲームを実行できるようにするために「妥協」を受け入れる決断をした理由も説明しています。

Castleramaの開発において、iPhone4sやiPad2といった新しいデバイスは、以前のiPhone3GSやiPadと比べてメモリ容量が2倍という点で大きく異なるという現実に直面しました。アプリをあらゆるデバイスで動作させるためには、古いデバイスを限界まで動作させ（他のアプリケーションを実行したままにしておくとクラッシュするリスクがあります）、新しいデバイスはそれらの性能よりはるかに劣る状態にするなど、かなりの妥協を強いられました。将来的には、各アプリケーションについて2つのバージョンを開発する必要があると考えています。

CastleramaはApp Storeでユニバーサルダウンロードとして無料で入手できます。近い将来、Unreal Engineに対応したゲームがさらに増える予定なので、CastleramaがiPhoneとiPadユーザーにどのようなユニークな体験を提供してくれるのか、楽しみです。さて、アプリのデモ動画とEpic Citadelの思い出を振り返る動画を以下でご覧ください。[9to5mac via TouchArcade]