昨年 12 月に iPhone の代替ブラウザである Sleipnir を初めてレビューしたとき、Apple の MobileSafari に代わるブラウザがひしめき合う市場において、このアプリが革新を起こした点に感銘を受けました。当時、市場はタブや Dropbox との連携、そして全体的に見て、従来のデスクトップ ブラウジングのエクスペリエンスを iPhone に移植することを目指した UI スキームなど、同じ機能セットを何度も繰り返し提供しようとするアプリで飽和状態でした。Portal と同様に、Sleipnir はプラットフォーム上で真に革新を起こそうとした数少ないアプリのひとつでした。デスクトップを単にコピーして Mac のようなエクスペリエンスを iPhone の画面に押し込もうとするのではなく、Sleipnir はタッチベースのタブ管理、タブ グループ、フルスクリーン モードなどの一連の機能を提供し、モバイル ブラウザで革新を起こすことが確かに可能であることをすべての人に示しました。そして今、Sleipnir は iPad でも同じことを実現しようとしています。

昨晩 App Store でリリースされた Sleipnir for iPad は、iPhone 版と見た目はよく似ていますが、マルチタッチジェスチャとタブをより有効に活用することで、タブレットでは他に類を見ないユニークなブラウジング体験を提供します。タブを上部のアプリツールバーの下に「パネル」として配置するのではなく、Sleipnir for iPad は iPhone 版の軌跡をたどり、開いているページを下部にサムネイルプレビューとして表示します。iPad の大画面化により、開発者はこのコンセプトをさらに発展させ、一度に開いているウェブサイトをより多く表示する大きなバーを実装できるようになりました。バージョン 1.2 ではキャッシュ管理が改良されたため、スクロール位置が失われることなく、ページの再読み込みを強いられることなく、一度により多くのページを開いたままにできるようになりました。ただし、バックグラウンドでタブを何十個も実行した後でも、Sleipnir はいずれにしてもページを更新してしまうことに気づきました。しかし、iPad 2 の Safari と同等、いやそれ以上にうまく動作します。ページの再読み込み問題に遭遇することはほとんどなく、遭遇したとしても Sleipnir は正確な位置を維持したままページを更新してくれました。しかし、それだけではありません。この新バージョンでは「TouchPaging」という新機能が導入され、水平スワイプでタブ間を移動できるようになりました（iOS 4.3 のマルチタスクジェスチャーや Lion の Safari の「戻る」アニメーションを思い浮かべてください）。また、画面上で「L」をなぞることで単一のタブを閉じることもできます。これらのジェスチャーは iPad でのブラウジングを非常に自然にしてくれるので気に入っています。Apple が Safari で同様のアイデアを思いつかなかったのは驚きです。

iPhoneと同様に、タブはドラッグ＆ドロップで「グループ」に整理でき、プレビュー画面を縦にスワイプするだけでタブを閉じることができます。タブをゴミ箱にドラッグしたり、グループ内のタブを好きなだけ移動させたりすることも可能です。iPadの大きな画面では、より便利なタブ管理が可能で、これがSleipnir for iPadの真価を発揮します。最後に、ブックマークの同期についてですが、Sleipnirのブックマーク作成とラベルの割り当て処理は未だに満足していませんが、無料のSleipnir Passアカウントを使えば、iPadとiPhone間でブックマークを同期できます。ブックマークのインポート機能がないのは残念ですが、デバイス間でのOTA同期は素晴らしいです。

SleipnirはApp Storeで無料で入手できます。iOSでこれまでにリリースされたブラウザの中でも最も革新的なものの一つです。ぜひお試しください。