昨日、ニューヨーク・タイムズ紙は、Appleの強い要請によりApp Storeから削除、あるいは修正されたペアレンタルコントロールアプリの開発者へのインタビュー記事を掲載した。これらのサードパーティ製アプリは、子供のスクリーンタイムを監視し、アプリへのアクセスを制限するもので、iOS 12に組み込まれたスクリーンタイム機能に類似した機能だった。タイムズ紙は、これらのアプリの削除時期は偶然ではないと示唆している。

Appleは新しいツールを発表して間もなく、同様のサービスを提供していたアプリの削除を開始した。

同紙はまた、SpotifyがAppleについてEU規制当局に苦情を申し立てたと報じており、他の匿名の競合他社もAppleが権力を乱用して自分たちに損害を与えていると主張していると伝えている。

本日、Apple は同社のニュースルームのウェブサイトで「ペアレンタルコントロールアプリに関する事実」と題する記事の中で、ニューヨーク・タイムズの記事に反応した。

最近、App Storeからいくつかのペアレンタルコントロールアプリを削除しました。理由は単純です。これらのアプリはユーザーのプライバシーとセキュリティを危険にさらすからです。なぜ、どのようにしてこのような事態に至ったのかを理解することが重要です。

Appleは、問題となったアプリはモバイルデバイス管理（MDM）を使用していたと説明しています。MDMは、企業が従業員のiOSデバイスを管理するために一般的に使用されています。しかし、MDMはサードパーティ製のコンシューマー向けアプリで使用される場合、深刻なセキュリティリスクをもたらします。Appleによると、MDMは次のようなリスクを伴います。

保護者は、お子様のデバイス利用に対する不安とプライバシーやセキュリティへのリスクをトレードオフすべきではありません。また、App Storeはそのような選択を強制するプラットフォームであってはなりません。お子様のデバイスを無制限に管理できるのは、保護者の方だけです。

競争上の理由でアプリを削除しているという幅広い示唆に対して、Apple は次のように述べている。

Appleはこれまで、App Storeで公開されている、保護者が子供のデバイスを管理するのに役立つサードパーティ製アプリを常にサポートしてきました。ニューヨーク・タイムズ紙が週末に報じた内容とは異なり、これは競争の問題ではなく、セキュリティの問題です。

このアプリカテゴリー、そしてあらゆるカテゴリーにおいて、私たちは競争力と革新性を兼ね備えたアプリエコシステムを提供することに尽力しています。メッセージング、マップ、メール、音楽、ウェブブラウザ、写真、メモアプリ、連絡先管理、決済システムなど、Appleのアプリと同様の機能やサービスを提供する、非常に成功しているアプリは数多く存在します。私たちは、これらのアプリがすべてのユーザーのユーザーエクスペリエンスを向上させながら、成長していくための場を提供することに尽力しています。

意図に関わらず、Appleのあらゆる行動は競合他社に重大な経済的影響を及ぼす可能性があります。このような状況下では、ニューヨーク・タイムズ紙のような記事が掲載されるのも当然です。おそらく、これは数ある反競争的行為の一つに過ぎないという記事の枠組みが、迅速な対応を促したのでしょう。Appleはサービス収入が会社の将来にとって重要であることを明確にしており、ニューヨーク・タイムズ紙の記事に触れずに火曜日の決算説明会に臨むことは避けたかったのでしょう。